農業・資源経済学の研究領域

 農業・資源経済学と聞いて何を想像されるでしょうか? 農業や自然環境は私たちの生活に様々な形で関わっており、農業・資源経済学が取り扱う分野は皆さんの想像以上に範囲が広いのです。また、国際化の進展や経済学自体の発展に伴い、農業・資源経済学のカバレッジは現在も広がり続けています。農業は私たちの食料を生産する大切な役割を担う一方、自然環境や資源の適切な利用とも密接な関係を持っています。海外の国や地域に目を向けると、農業はそれぞれの社会に根ざしながら多くの人々の生活を支えています。とりわけ、開発途上国においては、農業を発展させることが、開発や貧困の問題に対する重要な課題となっています。人々の日々の生活をみつめ、農業に関する制度や政策が与える影響を理解し、複雑な経済の仕組みを明らかにする学問、それが農業・資源経済学なのです。農業・資源経済学は応用経済学の範疇に入ります。
 しかし、単に机上の学問を用いるだけでなく、自らフィールドに立って新たな事実を発見し、それをアカデミックに解釈していくことが私たちの重視するアプローチです。現実に対する理解を基礎に、この学問分野のフロンティアを拡大していくことを目指しています。