地域経済フィールドワーク実習


 3年次の通年で開講されている選択必修科目です。これは、戦前から行われている農村調査実習の流れをくむ農経の伝統授業で、農経の目玉授業でもあります。受講する学生一人ひとりが①関心に基づいてテーマを設定し、②調査票を作成し、③実際に現地での聞き取りを行い、④得られたデータを分析して、⑤報告書にまとめる、という一連の現地調査の流れを学ぶ実習です。
 この授業では、何よりも、現地での聞き取りを行うことに特徴があります。実際の農業の現場で見る光景や、その場で聞くことができる現場の生産者、JAや役場などの職員の方などとの談話などからは、座学の授業だけでは得ることのできない視座や示唆、考え方を得ることができます。
 そして、現地での聞き取りを中心として、事前の調査票設計、事後の分析・執筆という作業を、1年間をかけて行うという点にも特徴があります。つまり調査にあたって自身で設定したテーマで1年間をかけて報告書を執筆することになるのですが、これは卒業論文執筆のためのいい訓練となります。聞き取り内容に文献資料や自身の分析や考察を付け加えて書き上げた報告書の製本、そしてそれをもとにした現地での報告会、学生・教員の前での報告会というフィードバックの機会が得られることでさらなる学びにつなげていくことができます。また、この一連の実習においては教員3名のほかに、大学院生のTAが常にきめ細やか指導や助言にあたってくれるために、大変有意義な実習とすることができます。